今日は高専に7年間通った俺が、そのコストパフォーマンスの高さを解説する。将来子供の就職を案じるのであれば高専への入学を検討してもらいたい。
高専ってなに?
高等専門学校の略称で、田舎では非常にマイナー。高校1年生とおなじタイミングで入学し、専門学生と同じタイミングで卒業する。つまり、5年間通うんだ。
工業専門学校が一般的で、他にも海洋技術や航空関係なんかもあるらしい。
俺が卒業したのは工業系なので、そこを中心に紹介する。
高専のメリット
高い就職率
なんと言っても高専のメリットは就職率90〜100%であること。高専生は高い専門性を身につけているとされ、業界から重宝されている。
大企業へのハードルが下がる
高専には継続的に企業側から募集を持ちかけてくれ、学校がエントリーを代行してくれる。高専ブランドは結構強くて、大企業が高専生を欲しがる。
受験項目が少ない
俺の通っていた高専ならではかもしれないけど、受験項目に社会がない。社会は非常に苦手な俺にとって、弱点なしになった。(社会以外は得意)
資格取得で優遇される
俺は化学科だったんだけど、危険物取扱の資格取得にあたり、一部受験項目が免除される。楽に資格が取得できるんだ。
大学入試がない
みんながセンター試験でアタフタしている時にも春休みは悠々と過ごせる。3年生を修了したら4年生に進級するだけ。
制服がない
高校一年生から私服なので、大学気分をいち早く味わえる。ファッションが苦手な人は詰む。
寮がある
寮で共同生活をすることでたくさんの学びがある。俺は通っていたが、寮生は楽しそうだった。
校則が緩い
大学と同じ感覚なので、基本茶髪とピアス。勉強さえできれば良い。TPOを考えた身なりのお勉強(は?)
夏休みは50日
大学水準なので夏休みは長い。が、普通高校に通う友達とは一切休みが合わない。
高専のデメリット
勉強がそこそこしんどい
さすがに専門的な分野をデメリットなしでは学べない。勉強はそこそこ難しく、赤点は60点と最初から大学水準。なんと五年間で40人の同級生の1/4が留年、もしくはついていけずに退学する。とはいえ、そういうやつは大体やることやってない。自由な校風にかまけて学業も疎かになるやつだ。
5年間メンバーがかわらない
留年以外では。基本的に5年間を同じメンバーで過ごす。絆は深まるが、幅は増えにくい。高専以外にもバイトや部活など、所属するコミュニティを増やさないと社会的コミュニケーション能力が欠落してしまう。(女性経験がないまま社会に出ること多数)
テストがしんどい
テスト期間は難易度とその項目数の多さに苦しめられることになる。自由な校風ゆえ、勉強する癖を奪われ、テスト期間に詰め込む。これが悪循環だ。
就職先は限定的
専門ゆえにその道に特化した就職先に限定的になる。(もちろんその限りではないがそれなりのパワーが必要)
女子が少ない
高専病って聞いたことあるかな?周りに女子がいなくて、免疫がなくなり、普通の子でも恐ろしく可愛く見えてしまうという男子校あるある病に陥りやすい。
オタクが多いのは事実
やはり一癖も二癖もあるやつが多く、中にはどう頑張っても仲良くなれないタイプもいる。でも今思えば、社会はもっと酷くて、社会に出るまでに必要な教養とも言えるかもしれない。
学卒の資格が欲しいなら
選択肢は2つある。編入と進学。
5年を修了後、好きな大学を選んで編入試験を受けるんだ。この時、すでに高専で取得した単位を振り返ることができ、最高点がつけられる。
もう一つは進学。実は高専には専攻科なるものがあり、もう2年延長することで、高専にいたまま大卒の資格を取れるコースがあるんだ。
もちろん受験ありだが、くっそ緩い。
金銭面
入学金:11万円、半年の授業料:7万円(確か)
教科書はほぼ使わないし、使う場面では先輩からのお下がりで事足りる。
教育費がほぼかからない。しかも今は高校無償化の恩恵もあり、7年間でもトータル100万円に到達しないコストパフォーマンスだ。
親にはとてもありがたい。
最後に
俺は高専に7年間通い、大卒の資格を取得して大手化学メーカーにいるわけだが、高専を卒業して良かったと思っている。
今の自分があるのは高専のおかげだから。
たまたま恵まれただけかもしれないが、俺の入学したときは女子も多く、仲間も愉快なアホばかりであったため、楽しく過ごすことができたし、女子への免疫も少し維持できた。
メリットデメリットはトレードオフな側面もあるが、将来を考えたときにおすすめの選択肢であると断言しよう。